アナフィラキシーとはハチに刺されたり、医薬品、食品の摂取によりアレルギー症状が急速に進行し命の危険がある疾患です。症状が該当する場合は、体位変換をきっかけに容体が急変する可能性があるため仰向けに寝かせ、すぐに救急車を呼びましょう。
アナフィラキシーを疑う症状
急に進むアレルギー症状で全身に発疹が出現することに加え重度の
- 呼吸器症状(ぜーぜー、咳、呼吸困難など)
- 循環器症状(血圧低下や失神など)
- 消化器症状(腹痛や嘔吐など)
を少なくとも1つ伴います。
しかし、皮膚症状が出ないこともあります。もともとアレルギーもしくはアレルギーの可能性がある食品を摂取後、急に血圧低下や気管支攣縮、咽頭浮腫が起こり、呼吸がしづらくなったりする場合もアナフィラキシーの可能性があります。
アナフィラキシーを起こすお子さまの割合
アナフィラキシーを起こしたことのある学童の割合は小学生で0.6%、中学生で0.4%、高校生で0.3%と多くはないですが、非常に重篤な疾患です。
日本における小児のアナフィラキシーの原因
- 食物 68.1%
- 医薬品 11.6%
- 昆虫刺傷 4.4%
と食品、医薬品、昆虫毒がほとんどを占めます。医薬品では日常的に処方される抗菌薬で起こる報告もあります。
食物アレルギーに関しては除去解除が少しずつ進み今まで食べられる量だった場合でも、体調不良や疲労、運動、入浴などによってアナフィラキシーを引き起こす可能性があります。
アナフィラキシー症状の部位別の発症率は、皮膚及び粘膜症状はアナフィラキシー患者の80〜90%、気道症状は最大70%、消化器症状は最大45%、心血管系症状は最大で45%に起こります。
呼吸停止や心停止までの中央値は薬物で5分、蜂で15分、食物で30分と非常に急速に症状が進行します。アナフィラキシーを起こした後は二相性反応という、期間を開けて再度アナフィラキシーを起こす可能性があります。二相性反応が起こる可能性は小児では最大11%であり、アナフィラキシーを起こした後は十分に注意する必要があります。
治療
主な治療方法は、アドレナリンの筋肉注射です。過去に既往がある方はエピペンというアドレナリン自己注射薬を持っている可能性があります。
エピペンの使い方
エピペンは服の上からでも打つことができます。
STEP
利き腕でペンの中央を持ち⻘色の安全キャップを外す
STEP
太ももの前外側に垂直にオレンジの先端を「カチッ」と音がするまで強く押し付ける
STEP
エピペンを足から離し、カバーが伸びているのを確認する
よくある質問
- アナフィラキシーの可能性があります、どう対応したらいいでしょうか?
- まずは周りに人がいれば助けを呼びましょう、同時に本人を横にしてあげてください。そして救急車を呼んですぐに医療機関を受診しましょう。